今日は大寒である。この冬は12月から真冬並みの寒さを体感し、先週の月曜日には10センチ以上も雪が積もった。天気が良い日でも、地面が凍っていて、足元から冷える。陽ざしのない日などは、体の芯まで冷え、免疫力が低下する。とにかく、体を温めなければ病気になる。
ところで、体を温める方法はいくつもあるが、もっとも基本的な方法は食衣住と運動である。必要なカロリーと栄養のバランスがとれた食事を規則正しくとり、むれない保温性の優れた服を着込み、身近な居住空間を暖める。そして、適度に運動することである。これらを日々実行すれば、低体温症にはまずならない。
その他に、陽ざしとお風呂があれば、ほぼ完璧に体温を保つことができる。真冬でも苗を育てているハウスに入ると、陽ざしの温かさに一時の幸せを感じられる。ビニールを張っただけの安い家だが、電気をふんだんに使うエアコンなどより、環境への負担が少ない。私は農薬をまかないので、空気がきれいで、植物が出す酸素に満たされている。実に快適な空間である。そして、帰宅して入浴すると、生気が戻りこれまた幸福感にひたれる。きっと青森の北限に生きる猿たちも同じ気持ちで雪中の露天風呂につかっているのだろう。
ところで私たちは、これらの体を温める方法が持つ長短を多面的にとらえ、日々の生活や職場環境に反映させているだろうか。便利さや手っ取り早さ、あるいは目先の欲望についつい流されてはいないだろうか。健康や環境への悪影響などをどのくらい意識しているだろうか。例えば、冷暖房はきかせ過ぎていないだろうか。人を運ぶというよりも、大きな車を移動するために大量のガソリンを使っていないだろうか。食欲のおもむくままに食べ過ぎて、痩せるために時間とお金を浪費していないだろうか。
そして、最後にもう一つ。上述の体を温める6つの方法のほかに、費用のかからない方法を加えたい。体を寄せ合って温め合うことである。寒さに耐えて寄り合っている光景は、何も人や動物だけではない。越冬する虫たちでもよく見られる。そして、植物も同じである。互いに寄り添うことで、上から降りてくる冷気をさえぎり、根を守る。地上部が凍りついても、根が生きていれば、太陽の光を浴びて生き返るのである。
(文責:鴇田 三芳)